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2008年5月の日記

2008/05/12(月) GBRと自家骨移植

GBRと自家骨移植
 GBRはGuided Bone Regenerationの頭文字を取ったもので、日本語では骨誘導再生法と訳されます。ミラノ大学歯周病科のMasshimo Simion教授が開発した骨造成法で、今日のインプラントでは必須の手法になっています。最初はインプラントを植立するのに支持骨が足りない部位に自家骨の細かく砕いたものを足して、それをゴアテックス膜で覆い、粘膜を閉じるといった手法でした。6ヶ月くらい後にはきれいな骨が出来上がります。その後、自家骨の代わりに代用骨が併用されるようになり、代用骨だけを使用する先生もいます。これは患者さんの手術の負担を軽減するために行なわれるものですが、骨芽細胞が含まれていないため、骨になるもとの細胞は、周囲の骨からということになります。ところが周囲の骨が著しく吸収している場合は、骨芽細胞の供給源自体に乏しいので、なかなかうまく行きません。代用骨に骨を誘導する作用のある成長因子(たとえば血小板由来成長因子や骨誘導タンパク)を注入する手法も北米では行なわれ始めましたが、まだ確たる成功を保証する証拠がありません。ゴアテックス膜については最初は骨にしたい部位を周囲の歯肉から隔離するために使われました。そうすると細胞の供給源が骨しかないので、骨の組織が出来上がるであろうという仮説です。この膜もチタン、コラーゲンなど変遷を経て、使わない場合も増えてきました。つまり膜の持つ意味も本当ははっきりわからなくなってしまっているのです。このようにGBRは必ずしも理論的根拠が不明朗な部分があります。確立された方法ではありませんので、その点をインプラントを受ける人にはご理解いただきたいのですが、小規模の骨造成には最初に述べたように必須の手法になっています。
 自家骨移植は、自分の生きた骨だけを用いるので、ウイルスやプリオン感染の危険も無く、生きた自身の骨芽細胞を含んでいるので確度の高い手法です。昔から口腔顎顔面外科、形成外科ではデファクトスタンダードとして行なわれてきました。通常は骨の採取は下顎か腸骨(腰骨)から行なわれます。ときには頭頂骨や脛骨(下腿の骨)から採取します。切り出した自家骨のブロックはそのまま、骨のない部分(母床)にビスか針金で固定されます。約4ヶ月で生着します。骨吸収が激しい人(歯周炎で歯が自然脱落したような人や長期間入れ歯を入れていた人に多く見られます)は、姑息的な手法では成功率が低いので、自家骨移植が望ましい治療法になります。東京銀座の銀座メデントクリニック高野仁男(形成外科専攻)と名古屋今池のメデント歯科センター伊藤正夫(口腔顎顔面外科専攻)は自家骨移植を静脈麻酔下日帰り手術で行なっています。
 最後に、本稿では証拠のある事実を記載しましたが、実際にインプラントクリニックに行ってみると様々な説明が行なわれ、様々な治療が行なわれます。これはどんな治療が良いかというより、先生が出来る治療範囲がどの程度かということによるようです。
伊藤正夫

2008/05/09(金) 今日のインプラント

 インプラントも認知度が高まり、需要も増えています。それに伴って、従来はインプラントの対象にならなかったような顎の骨の高度吸収症例も増加しています。このような難易度の高い状況ではインプラントの生着不良や神経損傷などのリスクが高いといえます。造骨のために人工骨が頻用されるようになりましたが、豚や子牛や他人に由来するものなので、将来の感染症(狂牛病など)を完全には否定できません。そこで東京、名古屋のメデントクリニックでは、唯一効果が証明されている自家骨移植をお勧めしています。身体の他部位から骨を採取する(インプラントを植立する近傍、下顎、腰骨など)デメリットがありますが、確実な手法です。自家骨の採取と移植は高度な手術手技が必要なため、一般には行なわれていません。手術はエキスパートによって静脈麻酔下で行なわれ、入院の必要はありません。移植をしないことは皆様にとって利便性がありますが、危険性と裏腹であることにご注意ください。厚生労働省が認可している人工骨は唯一カルシウムの結晶ですが、これ自体は骨にはなりません。
伊藤正夫