| "長い間歯医者に通っているうちに、咬むところがなくなってしまった。" |
50歳、女性、主婦、三重県尾鷲市在住
本人:若い頃から歯医者に通いずめで、結局上下とも前歯だけが残りました。咬むところがないせいか噛み合わせが深くなってしまって下の前歯が上の前歯の裏側の歯の肉に咬んでいるような状態なのです。
歯医者をいろいろ回りましたが、うーんとうなるばかりで誰も治してくれません。入れ歯を入れようにも上と下の顎がくっついてしまってスペースがないんだそうです。
新聞のコラムの切り抜きを隣の奥さんがもってきてくださいました。インプラントのことが書いてあります。名古屋の伊藤先生という方でした。思い切って訪ねてみることにしました。親切そうな先生ですが、私にも事情というものが有ります。うちにはお金の余裕はないので、できるだけ安くお願いしますと申し上げました。それにわざわざ名古屋まで出るのは大変です。通院回数を最小限にしてくれとも申しました。
伊藤先生は上下左右各2本ずつ計8本のインプラントを植えてそれで失われた噛み合わせの高さまで噛み合わせを上げたらどうですかとおっしゃいました。総額255万+消費税と言われたと思います。私はとてもだめだと思って帰ってきました。主人に相談したところ値切れと言うのです。200万だったらおれが銀行で借りてなんとかしたるというのです。
メデント歯科センターに電話をして、治療中の伊藤先生を無理矢理電話口に呼び出してもらって、まくしたてました。私も必死でしたから。伊藤先生もそれまで回った他の歯医者のようにうーんとうなっていました。値切ったのはあなたが2人目だよとおっしゃいました。よかった、他にもそういう人がいて。
伊藤先生は最後には私に気押されて分かりました。そのかわり最初の治療時に現金で一括支払いして下さいと言われました。電話を切ると安心したのと恥ずかしいのでへなへなとなってしまいました。 |
伊藤:奥歯の噛み合わせを完全に失ってしまうことを咬合崩壊という。前から見ると下顎の前歯は上顎の前歯に隠れて全く見えない。
このような方は顎の関節にも負担がかかっていて、カクカクいったり、片頭痛、肩こりなどの持ち主でもある。
咬合崩壊の治療には極めて高度な再建技術が必要となる。各々対応する部分にインプラントを同数ずつ植立して、仮の歯を使って症状を見ながら噛み合わせを挙上していくのである。噛み合わせを挙上していくとたいてい前後的にも顎が動いて、かつての正しい位
置を取り戻そうとする。いったん噛み合わせが確立したら、その位置で最終の上部構造物を作製するのである。
この方の治療期間は1年かかった。前から見ると下の前歯が半分ぐらい見えるようになった。 |
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本人:はっきり言って、名古屋まで通うのは大変でした。途中でくじけそうになったことも。伊藤先生はそれを見越してお金を先払いさせたのでしょうか。
でもよかった。なにかすっきりしました。何年か振りに大口をあけることができるようになったのです。いままでは開けようと思っても顎がひっかかる感じで口をあけることができなかったのです。長年悩まされた肩こりも、うそのようになくなりました。
あの時、夫が苦労してお金の工面 をしてくれたことが感謝されてなりません。 |